石巻日日新聞

震災語り部の 女子大学生 成人式に活動継続誓う

「後世の命」守りたい

東松島市 教育・文化 石巻日日新聞 1月14日(月) 20時01分
成人式を迎え、振袖姿で記念撮影を楽しむ(左から)添田さん、齋藤さん、小山さん

 東日本大震災の体験を語り継ぐ東松島市の女子大学生3人が13日、成人式に臨んだ。発災当時、野蒜小学校の6年生だった小山綾さん(19)と齋藤茉弥乃さん(20)、そして大曲小6年生だった添田あみさん(20)の3人。自分たちの体験を伝えようと始めた語り部活動も今年で5年目に突入する。「大人になっても語り部はやめない。すべては後世の命を守るため」。彼女たちは〝あの日〟を伝え続ける思いも新たにした。

 3人は、東松島市の女子学生語り部チームTTTに所属。若い世代の震災ガイドを探していた同市赤井出身のカメラマン鈴木貴之さん(46)が平成27年に設立。震災の記憶を語り継ぎ、後世に伝えることを目的に始まった。

 小山さん、齋藤さんは同年5月から活動し、その後29年9月に添田さんが加入した。東松島市を訪れたボランティアや県外視察者、時には同郷者にも、自らの経験を伝えている。

 発足時はまだ高校生だった彼女たちも大人の仲間入り。13日の成人式では、あでやかな振袖に身を包み、満面の笑みで記念撮影をする3人の姿があった。

 野蒜小の体育館で津波に巻き込まれながらも間一髪で助かった経験を持つ齋藤さんは「8年前の自分の行動が少し違っていたら、今の自分はいない。伝え続け、二度と自分のような経験をする人を出さないようにしたい」と思いを話した。

 添田さんは「学業と語り部を両立し、今後も活動を継続していく」と力強く語り、小山さんは「私たちは津波で亡くなった同級生たちの分まで強く生き抜かなければいけない。周囲の支えに感謝し、今後も前に進む」と決意を新たにした。

 震災からまもなく8年。記憶の風化も叫ばれているが、「後世の命を守りたい」という彼女たちの使命感は変わらない。忘れない、忘れさせてはいけない。彼女たちの二十歳の決意に揺らぎはなかった。

タグ:語り部
最終更新:1月14日(月) 20時01分
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