石巻日日新聞

髙政「御膳蒲鉾かき」全国一 農林水産祭で天皇杯の誉れ

両陛下からお言葉も 地域密着の姿勢も評価

女川町 政治・経済 石巻日日新聞 2月10日(土) 15時14分
祝賀会で関係者の支えに感謝を込めた高橋社長(左)

 女川町を代表する水産加工会社、(株)政(高橋正典社長)=浦宿浜=の「御膳蒲鉾かき」が平成29年度農林水産祭水産部門で、全国から出品された製品の中から最高賞である天皇杯に選ばれた。これに伴い1月には高橋社長らが天皇、皇后両陛下に拝謁。今月5日には仙台市内で受賞を記念して「感謝の集い」を開き、創業80年にしての誉れを関係者と分かち合った。

 農林水産祭は農林水産省、公益財団法人日本農林漁業振興会主催の産業推進事業で、毎年、水産、農産など7部門で表彰を行う。関連行事での農林水産大臣賞受賞が選考対象となる。その中でも特に社会の称賛に値すると認められたものが天皇杯に選ばれる。

 「御膳蒲鉾かき」は平成29年で同社が創業80周年の節目となることを記念して開発した。自社の技術と地元水産業の現状すべてを、商品を通して「消費者の脳内にアーカイブ化(記録)する事業」との方針のもとで開発に取り組んだ。

 震災後の地域の姿を発信する意味から、原料のカキは県の水産特区制度で石巻市桃浦地区に設立された「桃浦かき生産者合同会社」の製品を活用。高品質の原料の風味と髙政のノウハウをつぎ込んだすり身を絶妙に調和させ、仕上げた。

 御膳蒲鉾は28年12月に発売し、翌年2月の県水産加工品品評会で農林水産大臣賞を受賞。この実績により農林水産祭の選考対象となり、味わいはもとより水産加工業界への貢献、地域密着の企業姿勢なども評価されて天皇杯の受賞に至った。

 表彰は11月に明治神宮であった農林水産祭式典で行われた。さらに1月26日には天皇杯受賞企業が天皇、皇后両陛下に商品の説明をする場が設けられ、高橋社長と高橋正樹企画部長が皇居宮殿で拝謁した。両陛下は28年に女川町を訪れていることもあり、高橋社長らに「その後の女川の復興はどうですか」と地域に心を寄せるお言葉をかけたという。

◆今後も地域とともに

 受賞記念祝賀会の「感謝の集い」は仙台市内のホテルであり、須田義明女川町長や村井嘉浩知事、地域の水産関係者ら約120人が出席。あいさつで高橋社長は「関係者の指導鞭撻(べんたつ)あっての受賞であり、非常に重いものと感じている。今後も地域とともに生きていく生産活動を、全社を挙げて行う」と万感の思いを込めた。

 来賓の村井嘉浩知事は「これからも手腕を発揮し、県の経済を活性化させてほしい」、須田善明町長は「受賞は地域全体にとっての名誉」などと賛辞を贈った。

 その後、石巻魚市場の須能邦雄社長による相撲甚句披露、桃浦かき生産者合同会社の後藤建夫代表社員や政の御膳蒲鉾開発担当者への感謝状贈呈などがあり、出席者たちは懇談しながら受賞の喜びを共有した。

 政は昭和12年の鮮魚販売から始まり、昭和46年にすり身、平成6年に練り製品製造へと事業を展開。「企業は地域に生かされている」を社是とし、震災時には被災住民に自社製品を無償提供するなど支援にも当たったほか、地域活動にも積極的に取り組んでいる。

農林水産祭で天皇杯を受賞した「御膳蒲鉾かき」
農林水産祭で天皇杯を受賞した「御膳蒲鉾かき」

最終更新:2月10日(土) 15時14分

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