石巻日日新聞

鮫ヶ浦水曜郵便局 6日開局 宮戸の廃漁港

手紙通して物語を交換

東松島市 社会 石巻日日新聞 12月4日(月) 15時01分
宮戸の廃漁港鮫ヶ浦に架空の「水曜郵便局」が開局する

 水曜日の出来事を手紙で送ると、代わりに誰かがつづった「水曜日の出来事」の手紙が届く―。そんな少し不思議な企画が東松島市で始まる。同市宮戸の旧鮫ケ浦漁港に6日、水曜日だけ開く架空の郵便局「鮫ヶ浦水曜郵便局」が開局する。熊本県津奈木町で平成25―28年に行われた水曜郵便局事業の東松島版だ。

◆見知らぬ誰かの出来事配達

 これは東京都在住の映画監督、遠山昇司さんらで組織する水曜日観測所の企画。もともとは児童数減少で閉校した津奈木町の旧赤崎小学校を舞台に平成25年に始まったプロジェクトだ。「誰かの水曜日の出来事が手紙で届く」というファンタジー性あふれる内容が話題を呼び、28年の閉局までの3年間で、約1万通の手紙が交わされた。

 赤崎小の郵便局の再開局を望む声が全国のファンから上がり、遠山さんは次の開催地を探すことにした。そこで目を付けたのが、東松島市宮戸にひっそりと存在している今は使われていない漁港「旧鮫ヶ浦漁港」。紹介したのは奥松島観光ボランティアの会の木島新一さんで、地元住民でも存在を知る者は多くない隠れたスポットだった。

 約50メートルほどの手掘りの古びたトンネルを抜けた先に広がる、どこか神秘性をまとった廃漁港。遠山さんは「違う時代にタイムスリップしたかのような不思議な感覚にとらわれた。トンネルの先にある光がささやかな希望の光に見えた」という。これを契機に再開局の地は東松島市に決定した。

 「鮫ヶ浦水曜郵便局」と名付けた郵便局は東松島市が後援、日本郵便東北支社、石巻、鳴瀬両郵便局の協力で6日に開局する。期間は1年間の予定。漁港に郵便局に見たてたポストを出現させ、全国から手紙を募集する。

 参加方法は、「水曜日の出来事」をつづった手紙を封筒に入れ、切手を貼って鮫ヶ浦水曜郵便局あてに投函するだけ。これが鮫ヶ浦に届けられた後にスタッフが回収し、個人情報を伏せた上で、同じく手紙を送った誰かへ無作為に転送。手紙が水曜日に届く仕組みだ。

 開局に先立ち先日、東松島市の蔵しっくパークと石巻市のIRORI石巻で事業説明会が行われた。このうち石巻の説明会には郵便局長を務める遠山さんや、郵便局管理人で環境計画家の芹沢高志さんなど関係者ら約30人が出席。遠山さんは「とある水曜日にはたくさんの物語が存在している。ささやかな日常の物語を通して、誰かと誰かがつながる、小さな声を交換するプラットホームにしていく」と意気込みを語った。

 鮫ヶ浦水曜郵便局の住所は6日の開局当日に合わせ、公式ウェブサイト上で発表する。事業に関する問合せは鮫ケ浦水曜日郵便局事務局(電話―5579―2724)まで。

最終更新:12月4日(月) 15時01分
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