石巻日日新聞

ベトナムと石巻 心通わせて 技能実習生が 住民と交流

習った日本語で司会進行 市内で230人が生活

石巻市 社会 石巻日日新聞 10月10日(火) 15時14分 配信
民族衣装「アオザイ」を着たベトナム出身実習生と市民が歌の振付に合わせて握手

 地域で働くベトナム出身の技能実習生と地域住民の交流会「シンチャオ! ishinomaki 石巻に吹くベトナムの風」が1日、石巻市総合福祉会館みなと荘で開かれた。産業の一端を支える技能実習生は近年、同国出身者が増えており、在留期間などを拡大する改正技能実習制度も11月に施行される。交流会では実習生がベトナムの文化紹介を行い、地域住民との関わりを深めた。

 交流会は、石巻市が多文化共生社会の実現のために開く「じゃぱneeds塾」として実施した。

 外国人技能実習生は日本の産業を学ぶために在留しており、受け入れ先にとっては重要な人材。改正技能実習制度の施行後は、これまで3年だった最長在留期間が5年に延長され、企業規模などで定められている受け入れ上限も拡大されるなど、さらに果たす役割は強まる。

 県内では現在、約3千人の実習生が働いており、このうち石巻市は500人以上。市の基幹産業であり人手不足を課題とする水産加工業や、復興事業などで需要が高い建設業を中心に従事している。

 出身国別は以前、中国人が多くを占めていたが、近年はベトナム人の受け入れが盛んで、同市では約230人と全体の半数近い。

 こうした状況を受けて、国際サークル友好21はベトナム人実習生向けの日本語教室を実施しているが、外国出身者が生活に溶け込むためには地域とのふれあいと住民の理解が欠かせない。そのため今回、同団体の協力を得て初の交流会を開くこととなった。

 この日参加したのは約50人のベトナム人技能実習生と、町内会や受け入れ企業などから合わせて100人以上。催しは日本語教室の生徒が企画した。

 会では実習生が歌と踊り、料理、クイズなどでベトナム文化を紹介。司会役の実習生はこの日のために一層努力して学んだ日本語で進行をこなした。参加した地域住民も笑顔を見せながら盛り上がり、初対面の実習生同士にもつながりが生まれていた。

 昨年10月から石巻市内の建設企業で働くチャン・ヴン・トゥアンさん(27)は「親切な人に囲まれ安心して仕事をしているが、外出機会は多くない。今日は久しぶりに楽しかった。これからも将来のために仕事を頑張りたい」と話していた。

 現在6人のベトナム人技能実習生を受け入れているヤマトミ=石巻市松並=の千葉雅俊社長は「普段も明るい実習生たちだが、きょうはなおさら。会社として地域となじむ機会を作れればいいが、難しい面もある。こうした場から地域に関わっていってもらえればうれしい」と話していた。

 また、国際サークル友好21の清水孝夫事務局長は「実習生は多くいるにもかかわらず生活は知られていない。将来的に石巻とベトナムの交流にまでつながれば」と展望していた。

最終更新:10月10日(火) 15時14分

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