母国のために力を貸して
石巻日日新聞 2017年5月16日(火) 3月31日―4月1日の豪雨で発生した大規模洪水により甚大な被害が見舞われている南米のコロンビア共和国を支援しようと、石巻地方に暮らす中南米出身者が「エスペランサ・デ・ラティーノ(中南米の希望)」(阿部桂子リーダー)を設立した。地域の外国人をサポートする「国際サークル友好21」(三川小夜子代表世話人)と共同で、6月4日と11日の午後1―3時半に、ヨークベニマル石巻中里店店頭で街頭募金活動を展開する。
大規模水害に遭ったのはコロンビアの南西部モコア。3月31日夜から翌4月1日未明にかけて地域を襲った平均月間降水量の3分の1に相当する130㍉の豪雨の影響で発生した。コロンビア政府によると4月6日時点で死者が301人、負傷者は332人に上る。
日本政府は同7日にコロンビア政府の要望を受け、国際協力機構JICAを通じて、緊急援助物資を供与するなど支援を展開。一方で日本国内での報道は少なく、市民レベルでの支援活動は少ないのが現状だ。
そのような中、石巻地方に暮らすコロンビアやペルー、ブラジルなど中南米出身者12人が、遠い古里への支援活動を展開しようと4月16日に団体を設立。東日本大震災時に寄せられた世界各国からの支援への恩返しの気持ちも込めて街頭募金を行うことを決めた。
リーダーを務めるのはコロンビアの首都ボゴタ出身で25年前から石巻に暮らす阿部さん。テレビのニュースで洪水被害を知ったという。
親戚は皆、ボゴタにいたため被害はなかったが、母国の惨状に心を痛め、「石巻は津波被害で被災した人たちの辛さを知っている。今回のコロンビアの被害を知ってもらうとともに、母国のために支援の輪を広げていきたい」と語っていた。
活動で集まった募金は七十七銀行を通じて現地に送り、復興に役立ててもらう。
【写真】手作りの募金箱も作り、支援を呼び掛ける阿部リーダー(左)ら
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