河北署に出向の2人 仮設住民 手料理で送別会
石巻日日新聞 2017年2月27日(月) 昨年4月、愛知県警から河北署に配属された男性警察官2人が在任期間を終えるのを前に20日、石巻市の追波川多目的仮設住宅団地の入居者が送別会を開いた。会場となった集会所では、住民手作りの料理を振る舞い、日頃の治安業務や仮設団地の見守り活動への感謝を込めた。また、帰還後の活躍を期待し、エールを送っていた。
現在、河北署地域課特別警ら係に出向しているのは、愛知県警豊田署地域課所属の中村友翼巡査部長(32)と同県警機動隊所属の加藤大貴巡査長(28)。2人は通常の事件事故への対応に加え、月命日の一斉捜索や同署管内に19団地ある仮設住宅団地での見回り、声掛けなどで被災地の治安活動にあたってきた。
特に復興住宅などへの転居に伴って入居者数が減少している仮設住宅では、防犯啓発に力を入れ、きめ細かな対応で入居者の不安解消に貢献。住民からの信頼も厚く、地域と警察をつなぐ橋渡し的役割を担ってきた。
そんな2人だが、3月末で出向期間を満了し、愛知県に戻ることになった。これを知った同団地でつるし飾りなどを手掛ける入居者グループ「おがつ華の会」が送別会を企画。地場産品を生かした手料理で振る舞った。
住民たちは「駐車違反を見つけても、お互いに顔が分かっていると直接言いにくい。そういう時に助けてもらった」「特殊詐欺など『気をつけて』と情報を発信してくれた」と感謝。また、「息子のような2人の顔を見るのが楽しみだったので、寂しくなる。愛知県に戻って大変なことがあったら、私たちのことを思い出して」とエールを送る人もいた。
中村さんは「地域の皆さんとの交流は何よりも楽しく、警察人生でも大切な経験をさせてもらった。宮城の様子を愛知の方々に伝えたい」と振り返った。加藤さんも「密漁など愛知にはない事案の経験や震災の話を聞くことができた。南海トラフへの備えとして役立てたい」と今後への抱負を語っていた。
【写真】地場産品を生かした手料理を味わいながら、1年間の思い出を語る(右から)中村さんと加藤さん
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