安全で味も日本一アピール かき横丁 石巻駅前に浜の香り
石巻日日新聞 2017年2月6日(月) 「漁協祭り石巻駅前かき横丁」が5日、JR石巻駅前のロマン海遊21前で開かれた。石巻地方の今季のカキは、昨年末から今年のはじめにかけての需要が高まる時期に、広範囲でノロウイルスが検出されたことで消費量が減少している。こうした中、「いっぱい食べて、取り戻せ全国2位の生産量」のスローガンで開催となった今回は、生産者らが店頭で石巻産カキの味と安全性を改めてPR。来場者は旬を迎えたカキの振る舞いなどに長い列をつくった。
県漁協石巻市東部支所研究会、同石巻湾支所研究会、同石巻地区支所青年部の主催。全国屈指の出荷量を誇る宮城の中でも、一大生産地である石巻産カキの消費拡大を狙った催しで、昨年に続く2回目となった。
今回は、初回の好評を受け、無料試食品目や販売品の数量を増やし、産地ならではのカキづくしメニューで来場者をおもてなし。焼きカキ、カキ汁などが無料で提供されたほか、カキごはんや殻付きカキ5個の販売も実施した。浜の香りに包まれた駅前はカキを味わう多くの人でにぎわい、この日、用意した販売用、試食用計約2400セットの焼きカキやカキ汁は全てがなくなる大盛況となった。
昨年に続いて来場した同市中里の阿部好子さん(68)は、「地元産カキのおいしさを改めて実感した。今年もさまざまな味を楽しませてもらった」と舌鼓を打っていた。
例年11月下旬以降、カキのノロウイルス検出は定期的にあり、県漁協やカキ生産者は常時、衛生対策を徹底しているが、今季の県産は、昨年末に県内11海域中10海域という例年にない広範囲で検出された。加熱調理用の出荷はできても県産カキの取り扱いは生食用がメーン。場所によっては12月19日から3週間、生食用の出荷を控える事態となった。
大規模発生から段階的に陽性海域は減少したものの、生産者は全体に書き入れ時に打撃を受けた。
生産の現場ではこうした影響があったが、今回のかき横丁では変わらぬ地場産カキの人気ぶりが示された。震災後の地域産業復興の上でも地産地消の促進は重要であり、東部支所研究会の阿部隆弘会長は「まずは地元の皆さんに新鮮な味を実感してもらい、安心安全を発信して消費拡大につなげていきたい」と話していた。
【写真】無料で振る舞われるカキを味わおうと人々が列を作った
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