石巻日日新聞

トリ描いて縁起取り込む 仮設団地で墨絵教室

石巻日日新聞 2017年1月13日(金)

 NPO法人石巻復興支援ネットワーク(兼子佳恵代表理事)は10日、仮設住宅南境第7団地の集会所で新年顔合わせ会を兼ねた墨絵教室を開いた。色紙に干支の酉(とり)を描いて縁起を担ぎ、会食を通じて今年の抱負などを語り合った。

 同ネットワークが取り組む仮設団地でのコミュニティー形成支援活動の一環。復興公営住宅の整備や自宅再建が進み、団地の入居者も減っているが、この日の顔合わせ会には以前住んでいた人たちも多く集まり、変わらぬ交流を続けた。

 墨絵教室の講師は元石巻市議で、書道教室を主宰する高橋誠志さん=同市南境=が務めた。色紙に松、梅、オナガドリを描き、墨の濃淡だけで仕上げる作品。最後は台紙の中に納めて掛け軸として完成させた。

 「墨絵は平面的にならないように墨の濃淡を使って遠近感、立体感を出すように」と高橋さん。参加者は墨を薄く塗り始め、筆先を器用に使いながら描いた。南境第7団地の今野吉子さん(77)は「筆を持つと気持ちが落ち着く。筆の強弱が難しいけれど楽しい」と話していた。

 地元の子育て世代の主婦らで構成する同支援ネットワークは、平成23年8月から仮設住宅や避難先でイベント、サロンを開き、住民同士のつながりを強めるなど地域に根差した活動を展開している。

【写真】墨の濃淡を意識しながら仕上げていく

最終更新:2017年1月13日(金)

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